2019年12月1日日曜日

2019年ディスコグラフィー



「ひかりのうた/おやだかにひそやかに」(harusai Records)


今年は合計5作品に参加した。その第一弾が、6月14日にリリースされたこの「ゆめであいましょう」とのスプリットEPだった。そもそも「ゆめであいましょう」との出会いはまさにharusai Recordsの主催者・清水さんの声によるもので、このEPはその嬉しい出来事を物質化したような作品でもあり、個人的な思い入れも深い。

「ひかりのうた」はもうかれこれ作ってから4〜5年経つ曲で、もともと2014年12月にリリースした「Stoned To Death」というアルバムに収録されていたのだが、しばらく誰にも聴かれることはなかった。しかし、2018年にtamao ninomiyaさんが、彼女が主催している「慕情tracks」のコンピレーションに入れてくれて、それが知り合いの間でいくらか注目を集め、それを聴いた清水さんがレコードにまでしてくれた、という流れがある。録音的には「Stoned To Death」に収録したバージョンがほぼベースになっていて、「慕情 in da tracks」に入れる際にボーカル、サックス、クラリネット、アコースティックギターを足し、今回レコードにするにあたり少々ミックスを変えている。

「おだやかにひそやかに」は初めて聴いたとき、20〜30年前くらいに一部に人気だったグループの当時の密録かと思った。今も活動しているということで、年を取っても「音楽家」にはならずに庶民として爽やかに音楽をやり続けているとてもかっこいい人たちがいるんだな、と思ったら同い年で仲良くしてくれて嬉しかった。

在庫はもうほとんどないらしい。


▼購入
volume1(ver.)(仙台 )https://twitter.com/sendaivol1
JETSET (https://www.jetsetrecords.net/i/816005626579/) diskunion(https://diskunion.net/jp/ct/detail/1007917898)


「Growing Fainter」





去年の秋〜冬くらいに「んミィバンド」のアルバムをつくってCDをプレスしようというこ
とになった。「んミィバンド」は「んミィ」とは別のユニットで、その違いに面白さがあると思っていたので、それに併せて「んミィ」のフィジカル作品も作っておこうと考えて2017、2018年の曲を10曲選んで作った。こちらは録音もミックスも全部一人でやった。「すべての街」、「氷が溶ける音」、「景色」、「地平線を抱きしめて」が気に入っている。この時期はいろいろ考えごとをしていて、それに関係した様々な試みや形式がたくさん反映されているのでいつか飲んでるときに誰かに演説をぶちかましたい。


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bandcamp(https://nminmi.bandcamp.com/album/growing-fainter)
diskunion(https://diskunion.net/jp/ct/detail/1007941742)

▼Apple Musicでも聴けます
https://music.apple.com/pt/artist/nnmie/1473723056?l=en


「知らないパレード」






1〜2月に15〜20時間くらいスタジオに入り録音した。hikaru yamadaさんによるほぼ一発録音で、そこにボーカルやサックス、その他の付加的なトラックを追加した。録音中は、本当にこんなんでいいのか……?、というテイクばかりで、こだわらずにとにかくスピード感だけを意識して録音した(ようだ)。途中の試行錯誤でマイクの種類や位置なども変更されていたような気がするが、それ以前に録ったトラックは気にせずにそのまま進めていく、というようなスピード感。さらに今まで締めたことがなかったスネアドラムのスナッピーを締めてミュートをつけてみたり、サックスの代わりに弾いていたギターソロが採用されたりといったんミィバンドらしいハプニングもあった。

そして、その後はhikaru yamadaさんとuccelliさんによるミックス作業が待っていた。レコーディング時にどの曲をどちらが担当するかなんとなく雰囲気で決めて、「Stereolab」の「Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night」を摸して二人がミックスした曲を交互に配置した(最初に持っていたアルバムのイメージをできるだけ壊さないように最後の方はちょっと変わっている)。録音からリリースまでの半年以上の歳月は、ほとんどuccelliさんのミックスの時間に充てられている。yamadaさんのミックスが(本人の発言から読み取ると)<こだわらないことにこだわっている>のに対して、uccelliさんのミックスはシンプルに、<(こだわることに)こだわっている>ように感じる。

また、「放火」という曲では「ゆめであいましょう」の山本ヘル氏もギターを弾いている。「ゆめであいましょう」では、(ちょうどこのくらいの時期から)ファズギターを弾くことをほぼ全面的に禁止されているらしく、そのフラストレーションもあってなのか、一発目から全身をダイナミックに使った激しいノイズギターで、現場をピリつかせてくれた。録音に収められている音もかっこいいが、氏のギターは生で聴いた方が面白いと思うのでいつかまた「んミィバンド」に参加するときにライブも観てほしいと思う。ちなみにこの曲はんミィは参加していない。「Growing Fainter」ではすべて一人でやっている「放火」をこのアルバムではすべて他人がやっているということがかなり重要なことだと思う。

個人的なベストトラックは「メキシコ」で、間奏のサックスとピアノのかけあいがこのアルバムのすべてだと思う。

▼購入
diskunion (https://diskunion.net/jp/ct/detail/1007976099)


「Passeio」 by mariapepinos


チリの首都、サンティアゴに住む「mariapepinos」によるアルバムに一曲だけ参加した。
彼女とはサウンドクラウドで知り合った。5年前くらい前に、一緒に曲を作ろう、とメッセージを送ってきてくれて、それがきっかけで仲良くなり、時々送りあったトラックを重ねたり編集したりして曲を作っている。四六時中ファンクやソウルを聴いていて、YouTubeのリンクを大量に送ってくれる。日本や日本の音楽も好きでいろいろ教えてもらった。あと海が好きでしょっちゅう海に行っているらしい。「私は海に行かないけど、自分と同じ名前の海があるので行ってみたい」といったらその曲を作ってくれて、それが収録されている。向こうが歌詞と曲を作ってんミィは和訳して歌った。しっかり言葉が伝わらなかったのか、あんまり歌が気に入らないテイクで進められてしまった(笑)

検索をかけてもあまり情報は得られなかったがMini Golf Recordsという小さなインディーズレーベルからUSBメモリとしてフィジカル作品化されているらしい。

今年仕事?で来日して、友達を誘って一緒に遊べたのもいい思い出になった。今サンティアゴは香港のように大変な状態になっていて送られてくる写真を見るとびっくりするけど早く平和になってほしい。

▼購入
https://mariapepinos.bandcamp.com/album/passeio


「Goodbye to Love」 by August Olsson


August Olssonはスウェーデンに住む宅録音楽家?で、インスタグラムにYumboのライブの写真を貼っていたら「Yumboいいよね!好きだよ!」とコメントをくれたのがきっかけで仲良くなった。大阪に一時期住んでいたらしく関西弁が上手で一緒に曲を作ったり、カバーをしあったりしていた。インディーポップ的なアレンジの引き出し、クリシェがかなり多くて人気が出そうだなあと思う。

んミィは「Dekakeru」という曲で歌を歌っている。去年か今年のはじめに「日本語で歌を作ったけどうまく歌えないから歌ってくれる?スウェーデンのカセットレーベルから出してもらえるんだけど」とメールをもらったのだが、すでにかなり上手な日本語だったので、普通に歌ったのと1オクターブ高めを歌ったのと2トラック送って、それにAugust君の声を重ねたらいいんじゃない?、と提案したがまったく反映されていなかった(笑)中期スーパーカーみたいな音楽をかなり高いクオリティでやっているいい曲だなと思う。

聴いてみると他にも日本人が参加しているようだ。カセットは再生できないけどせっかくだし今さっき買ってみた。

 ▼購入
https://zeonlight.bandcamp.com/album/august-olsson-goodbye-to-love